DexScreenerの読み方:流動性、出来高、価格の見方
DexScreenerは数字が多すぎて最初は読めません。どれが重要で、どの順番で見るかを整理します。

DexScreenerとは
DexScreenerは、DEX上で取引されているトークンの価格とプールの状態をまとめて表示するサイトです。取引所ではないので、ここで売買はできません。見るための場所です。
最初に開くと、数字が多すぎて何を見ればいいのかわかりません。実際に判断に使う項目は限られているので、そこから説明します。
4つの数字を先に覚える
画面上のどの数字より先に、この4つを見てください。
| 項目 | 何を表すか | 見るポイント |
|---|---|---|
| Liquidity(流動性) | プールに入っている資金の総額 | 薄いと自分の注文で価格が動く |
| Volume 24h(24時間出来高) | 直近24時間の取引総額 | 流動性との比率が重要 |
| Txns(取引数) | 買いと売りの回数 | 買いだけ多いのは不自然 |
| FDV | 全供給量が現在価格だった場合の総額 | 時価総額とは別物 |
この4つのうち、いちばん軽視されがちなのが流動性です。価格が10倍になっていても、プールに数千ドルしか入っていなければ、それは数千ドルで作れた価格です。
流動性と出来高の関係
単独の数字より、比率のほうが情報量があります。
24時間出来高が流動性の何倍あるかを見てください。この比が極端に大きいとき、つまり薄いプールで大量に取引されているとき、その出来高は同じ資金が何度も往復している可能性があります。ボットが自分のウォレット間で売買を繰り返すと、この形になります。
逆に、流動性が厚くて出来高がほとんどないトークンは、単に誰も興味を持っていません。危険ではありませんが、売りたいときに買い手がいない可能性はあります。
健全に見えるのは、流動性がある程度あり、出来高がその数分の1から数倍の範囲に収まっていて、買いと売りの回数が近い状態です。
プールの厚みがどこから来るのかは、発行側がLPトークンをどう扱ったかで決まります。バーンされていれば資金は永久にプールに残り、ロックなら期限があります。その違いはLPトークンをバーンするかロックするかにまとめました。
FDVと時価総額の違い
ここを混同すると、判断を大きく間違えます。
時価総額は、現在流通している供給量に現在価格を掛けたものです。FDV(完全希薄化後価値)は、まだロックされている分も含めた全供給量に現在価格を掛けたものです。
両者が近ければ、供給量のほとんどがすでに流通しています。FDVが時価総額の何倍もあるなら、いずれ市場に出てくる分がそれだけ控えているということです。ロック解除の日に何が起きるかは別の問題ですが、少なくとも「この価格が全量に対して付いているわけではない」ことは知っておくべきです。
DexScreenerが表示するのは主にFDVです。新しいトークンでは供給量の大半が最初から流通していることも多いので、その場合は両者がほぼ一致します。
買う前に見る順番
DexScreenerだけで判断は完結しません。順番はこうです。
1. 流動性を見る。薄すぎれば、そこで終わりです。自分が買う金額に対してプールが小さいなら、買った瞬間に価格が動きます。
2. 買いと売りの回数を見る。売りがほぼゼロのトークンは、売れないトークンである可能性があります。ハニーポットトークンの典型的な見え方です。
3. プールの作成日を見る。数時間前にできたプールは、まだ何も証明していません。
4. 保有者を見る。ここからDexScreenerの外です。保有者スナップショットで分布を取り、上位が偏っていないかを確認します。
5. 関係を見る。J Mapのトークン関係図で、上位保有者が同じ資金源から出ていないかを確認します。
ペアが複数ある場合
1つのトークンに対して、DexScreener上に複数の行が並ぶことがあります。同じトークンが別々のDEXに、あるいは同じDEXでも別々のペアでプールを持っているからです。
この場合、数字はプールごとに独立しています。流動性も出来高も、その1つのプールのものです。トークン全体の流動性を知りたいなら、すべてのプールを足す必要があります。1つの行だけを見て「流動性が薄い」と判断すると、実際には別のプールに厚みがあることもあります。
逆方向の誤読もあります。厚いプールを1つ見て安心したが、自分が実際に約定するのは別の薄いプールだった、というケースです。アグリゲーター経由なら自動で厚いほうに流れますが、DEXを直接開いて取引するときは自分で選んでいることになります。
どのペアが主戦場かは、出来高で見分けられます。取引が集まっているプールが実質の基準価格を作り、他のプールはそこに追随します。
ソートとフィルタの使い方
新しいトークンを探す目的で使う場合、並べ替えの条件で見えるものが変わります。
- 作成時刻で新しい順。出たばかりのトークンが並びます。ほとんどが数時間で消えるので、ここを眺めること自体にはあまり意味がありません。
- 出来高で降順。いま取引が集まっている場所が出ます。ただし前述のとおり、薄いプールでの往復取引も同じ出来高として並びます。
- 流動性で降順。資金が実際に入っているプールが出ます。新規発見には向きませんが、既存のトークンの厚みを比べるには使えます。
- 価格変動率。短期の変動率でソートすると、急騰しているものが上に来ます。ここに並ぶものは、急落する前でもあります。
実務的には、出来高でも変動率でもなく、流動性で下限フィルタをかけるのがいちばん誤爆が減ります。薄いプールを最初から視界に入れない、という使い方です。
チャートの形に意味はあるか
短く答えると、新しいトークンではほとんどありません。
チャートのパターン分析は、参加者が多く、取引が継続している市場を前提にしています。作られて3時間のトークンの5分足に、その前提はありません。数本のローソクは、数人の行動そのものです。
見る価値があるのは、形ではなく出来事です。垂直に落ちた瞬間があるなら、そこで何が起きたのかを確認してください。プールが抜かれたのか、大口が売ったのか。それはWallet Scope のウォレット分析で、そのウォレットの動きを追えばわかります。
DexScreenerは何が起きたかを見せますが、なぜ起きたかは見せません。理由はチェーン上のデータにあります。
この記事は投資助言ではありません。ここに書いたのは数字の読み方で、買う理由ではありません。


