すべての投稿
ガイド

DexScreenerの読み方:流動性、出来高、価格の見方

DexScreenerの画面に並ぶ流動性、24時間出来高、価格変動、取引数、FDVの意味と、買う前にどの順番で見るべきかを説明します。

10 分で読めます J Tools Editorial
暗い背景にチャートと数値パネルが並ぶ画面の図。複数の指標が同時に表示されている状態を表している

DexScreenerとは

DexScreenerは、DEX上で取引されているトークンの価格とプールの状態をまとめて表示するサイトです。取引所ではないので、ここで売買はできません。見るための場所です。

最初に開くと、数字が多すぎて何を見ればいいのかわかりません。DexScreenerの使い方は、実際に判断に使う項目だけに絞れば難しくありません。まずそこから説明します。

4つの数字を先に覚える

使い方の出発点はこの4つです。画面上のどの数字より先に見てください。

項目何を表すか見るポイント
Liquidity(流動性)プールに入っている資金の総額薄いと自分の注文で価格が動く
Volume 24h(24時間出来高)直近24時間の取引総額流動性との比率が重要
Txns(取引数)買いと売りの回数買いだけ多いのは不自然
FDV全供給量に現在価格を掛けた総額時価総額とは別物

この4つのうち、いちばん軽視されがちなのが流動性です。価格が10倍になっていても、プールに数千ドルしか入っていなければ、それは数千ドルで作れた価格です。

流動性と出来高の関係

数字の使い方としては、単独の値より比率のほうが情報量があります。

24時間出来高が流動性の何倍あるかを見てください。この比が極端に大きいとき、つまり薄いプールで大量に取引されているとき、その出来高は同じ資金が何度も往復している可能性があります。ボットが自分のウォレット間で売買を繰り返すと、この形になります。

逆に、流動性が厚くて出来高がほとんどないトークンは、単に誰も興味を持っていません。危険とは限りませんが、いま取引している人がほとんどいない場所です。

健全に見えるのは、流動性がある程度あり、出来高がその数分の1から数倍の範囲に収まっていて、買いと売りの回数が近い状態です。

プールの資金が残り続けるかどうかは、発行側がLPトークンをどう扱ったかで決まります。バーンされていれば資金は永久にプールに残り、ロックなら期限まで引き出せず、何もしなければ発行者がいつでも引き出せます。その違いはLPトークンをバーンするか、ロックするか、持ち続けるかにまとめました。

2つの液体の池を並べた図。左は注がれても静かに受け止める厚いプール、右は水しぶきが上がる薄いプールで、流動性の違いによる値動きの差を表している

FDVと時価総額の違い

ここを混同すると、判断を大きく間違えます。

時価総額は、現在流通している供給量に現在価格を掛けたものです。FDV(完全希薄化後価値)は、まだロックされている分も含めた全供給量に現在価格を掛けたものです。

両者が近ければ、供給量のほとんどがすでに流通しています。FDVが時価総額の何倍もあるなら、いずれ市場に出てくる分がそれだけ控えているということです。ロック解除の日に何が起きるかは別の問題ですが、少なくとも「いまの価格は、市場に出ている分だけで付いたものだ」ということは知っておくべきです。

DexScreenerにはFDVと時価総額の両方が表示されます。新しいトークンでは供給量の大半が最初から流通していることも多く、その場合は両者がほぼ一致します。

買う前に見る順番

DexScreenerだけで判断は完結しません。実際の使い方としては、この順番で見ます。

1. 流動性を見る。薄すぎれば、そこで終わりです。自分が買う金額に対してプールが小さいなら、買った瞬間に価格が動きます。

2. 買いと売りの回数を見る。売りがほぼゼロのトークンは、売れないトークンである可能性があります。ハニーポットトークンの典型的な見え方です。

3. プールの作成日を見る。数時間前にできたプールは、まだ何も証明していません。

4. 保有者を見る。ここからDexScreenerの外です。保有者スナップショットで分布を取り、上位が偏っていないかを確認します。

5. 関係を見る。J Mapのトークン関係図で、上位保有者が同じ資金源から出ていないかを確認します。

光の点の群れから細い線が何本も伸び、1か所に集まっていく図。複数のウォレットが同じ資金源でつながっている様子を表している

ペアが複数ある場合

使い方でつまずきやすいのがここです。1つのトークンに対して、DexScreener上に複数の行が並ぶことがあります。同じトークンが別々のDEXに、あるいは同じDEXでも別々のペアでプールを持っているからです。

この場合、数字はプールごとに独立しています。流動性も出来高も、その1つのプールのものです。トークン全体の流動性を知りたいなら、すべてのプールを足す必要があります。1つの行だけを見て「流動性が薄い」と判断すると、実際には別のプールに厚みがあることもあります。

逆方向の誤読もあります。厚いプールを1つ見て安心したが、自分が実際に約定するのは別の薄いプールだった、というケースです。アグリゲーター経由なら自動で厚いほうに流れますが、DEXを直接開いて取引するときは自分で選んでいることになります。

どのペアが主戦場かは、出来高で見分けられます。取引が集まっているプールが実質の基準価格を作り、他のプールはそこに追随します。

DexScreenerのソートとフィルタの使い方

新しいトークンを探すときは、並べ替えの使い方で見えるものが変わります。

  • 作成時刻で新しい順。出たばかりのトークンが並びます。ほとんどが数時間で消えるので、ここを眺めること自体にはあまり意味がありません。
  • 出来高で降順。いま取引が集まっている場所が出ます。ただし前述のとおり、薄いプールでの往復取引も同じ出来高として並びます。
  • 流動性で降順。資金が実際に入っているプールが出ます。新規発見には向きませんが、既存のトークンの厚みを比べるには使えます。
  • 価格変動率。短期の変動率でソートすると、急騰しているものが上に来ます。ただし、急騰したものは急落もしやすいことを忘れないでください。

実務的には、出来高でも変動率でもなく、流動性で下限フィルタをかけるのがいちばん失敗が減ります。薄いプールを最初から視界に入れない、という使い方です。

チャートの形と、よくある質問

チャートの形に意味はありますか?短く答えると、新しいトークンではほとんどありません。

チャートのパターン分析は、参加者が多く、取引が継続している市場を前提にしています。作られて3時間のトークンの5分足に、その前提はありません。数本のローソクは、数人の行動そのものです。

見る価値があるのは、形ではなく出来事です。垂直に落ちた瞬間があるなら、そこで何が起きたのかを確認してください。プールが抜かれたのか、大口が売ったのか。どちらなのかは、Wallet Scopeのウォレット分析で関係するウォレットの動きを追えばわかります。

DexScreenerは信頼できますか?数字は公開ブロックチェーンから直接読み取っているので、Solscanなどのブロックエクスプローラーで誰でも照合できます。保証されないのはトークンそのものです。掲載は自動で、詐欺も正規のプロジェクトと同じ体裁で並びます。信用するのは数字であって、載っているという事実ではありません。

特定のトークンはどう探せばいいですか?名前やティッカーで検索したら、本物かどうかを確かめてください。人気の名前は詐欺師が何度も複製するからです。確実なのは、公式サイトに載っているコントラクトアドレスを検索欄に貼る方法です。アドレスに一致するトークンは1つだけですが、同じ名前のトークンは何百もあり得ます。

DexScreenerの使い方を覚えても、見えないものは残ります。この画面は、何が起きたかは見せますが、なぜ起きたかは見せません。その理由は、チェーン上のデータにあります。

この記事は投資助言ではありません。ここに書いたのは数字の使い方と読み方で、買う理由ではありません。

J
著者
J Tools Editorial

J Toolsチームからの投稿

J Tools Editorial のすべての投稿を見る →

関連投稿