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ハニーポットトークンとは?買えるのに売れない詐欺の見分け方

買えるのに売れないハニーポットトークンの仕組みと、Solanaで見分ける手順。フリーズ権限、追加発行権限、保有者の偏りを買う前に確認する方法を説明します。

10 分で読めます J Tools Editorial
暗い背景に、片方向にだけ開く扉の図。入ることはできるが出られない構造で、ハニーポットトークンの仕組みを表している

ハニーポットトークンとは

ハニーポットトークンは、買うことはできるのに売ることができないように作られたトークンです。

チャートは上がり、購入は通り、ウォレットには残高が表示されます。売ろうとした瞬間だけ、取引が失敗します。

ハニーポットは「蜜の壺」、つまり獲物をおびき寄せるおとりを指す言葉です。このトークンは買い手を集めるために、表向きはすべて正常に見えるよう作られています。異常に気づくのは、売ろうとして資金を出せないとわかったときです。

どうやって売れなくしているのか

ハニーポットトークンがSolanaで売れなくなる仕掛けは、大きく3つに分かれます。最初の2つは作成者がトークンに持たせた権限や機能を使い、3つ目は売却先のプールを空にします。

  • フリーズ権限を残す。SPLトークンには、保有者のトークンアカウントをフリーズできる権限があります。作成者がこれを持ったままなら、買った人のアカウントを個別に凍結して売却を止められます。
  • Token-2022の転送制限。Token-2022という新しい規格には、転送そのものにルールを付けられる拡張があります。特定のアドレス以外への送信を禁止すれば、実質的に売却できません。
  • 流動性の抜き取り。技術的には売れるのに、売る相手のプールが空になっているパターンです。厳密にはラグプルですが、利用者から見た結果は同じです。

このうち1番目のフリーズ権限は、確認がいちばん簡単です。なお、Token-2022の拡張の大半は正当な目的で作られていて、使っているトークンの多くもまっとうです。各拡張の仕様はSolanaのトークン拡張の公式リファレンスに載っています。

赤とこはく色で描いた抽象的なイラスト。コインが、戻ることを許さないバルブを通って片方向の漏斗へ流れ込んでいる

買う前に確認する手順

ハニーポットトークンを避ける確認には順番があります。上から順に見て、どれか1つでも引っかかったら買わないでください。

1. フリーズ権限を確認する。これが残っている匿名のミームコインは、それだけで見送る理由になります。まっとうなトークンは発行時にこれを放棄しています。放棄されているかどうかは、ブロックエクスプローラーのトークン情報か、保有者スナップショットのトークン概要で確認できます。

2. ミント権限を確認する。追加発行の権限が残っていれば、作成者はいつでも供給量を増やせます。あなたの持ち分の価値は、その瞬間に薄まります。売れなくなるわけではありませんが、同じ種類の危険です。

3. 保有者の分布を見る。上位ウォレットが供給量の大半を握っているなら、売れたとしても値がつきません。保有者分布の読み方に、どの数字を見るべきかを書いています。

4. ウォレット同士のつながりを見る。保有者が50人いるように見えても、1人が管理する50個のウォレットであることがあります。J Mapのトークン関係図は、資金の出どころが同じウォレットをまとめて描くので、この偽装が図で見てとれます。

5. 少額で売ってみる。ここまで通ったら、まずごく少額だけ買い、その直後に売り戻してみてください。売れれば売却経路は生きています。この一手間で、売れないトークンに全額を入れてしまう事態を防げます。

専用のスキャナーはどこまで使えるか

RugCheckやSolSnifferのようなスキャナーは、上の1から3を自動でやってくれます。速いので最初のふるいには向いています。詳しい比較はRugCheck・SolSniffer・Bubblemapsの比較にまとめました。

ただしスコアは判定ではありません。スキャナーが見ているのは、その時点でオンチェーンに書かれている設定です。作成者が権限を放棄した後に別の方法で売却を止めることもありますし、新しい手口はスキャナーのルールより先に出てきます。緑色のスコアは「既知の罠は見つからなかった」という意味で、「安全」という意味ではありません。

暗い背景の上を虫眼鏡が移動し、こはく色のチェックマークが並ぶ行を調べているイラスト。1行だけが赤く光り、確認に失敗した項目を示している

ハニーポットトークンとラグプルの違い

ハニーポットトークンとラグプルはまとめて語られがちですが、起きていることが違います。区別しておくと、対策も分かれます。

 ハニーポットラグプル
止まる場所売却の取引そのものが失敗する取引は通るが、売る相手がいない
仕込みトークンの権限や転送ルール流動性プールの持ち分
気づく時点最初に売ろうとしたときプールが抜かれた直後
買う前の確認権限の状態流動性のロック状況
買った後の確認少額の売り戻しが通るかプール残高の推移

つまり、少額の売り戻しテストでハニーポットトークンは見抜けますが、ラグプルは見抜けません。ラグプルは、買った時点では何も異常がないからです。逆に、流動性がロックされていることを確認してもハニーポットトークンは防げません。両方見る必要があります。

典型的な進み方

手口には型があります。順番を知っておくと、途中で気づけます。

まず、トークンが作られ、小さなプールが用意されます。この段階では権限が残っていることが多く、ここで確認すれば見抜けます。次に、宣伝が始まります。SNSで急に名前を見かけるようになり、チャートが右上がりに描かれます。ここで買う人たちの資金が、プールの中身になります。

そして買いが十分に集まったところで、仕掛けが作動します。ハニーポットトークンなら、売り注文が失敗し始めます。ラグプルなら、プールが一度に抜かれ、チャートが垂直に落ちます。どちらも数分で終わります。

仕掛けが作動してから確認しても、失った資金は戻りません。だから確認は買う前に済ませます。スキャナー3種の比較では、各ツールが何を見ているかを整理しています。

すでに買ってしまったときの対応と、よくある質問

正直に書くと、ほとんどの場合は取り戻せません。オンチェーンの取引は取り消せず、トークンを解放できる仕組みを握っているのは作成者だけです。

やれることは2つあります。1つは、そのトークンアカウントを閉じて、アカウント作成時にロックされていたレント分のSOLを回収することです。金額はごくわずかですが、放置しても戻ってきません。アカウントを閉じてレントを回収するから実行できます。

もう1つは、同じ作成者ウォレットを覚えておくことです。同じ人物が別の名前で次のトークンを出すのはよくある話で、Wallet Scopeのウォレット分析でそのウォレットの動きを追っておけば、次は買わずに済みます。

サイバーセキュリティのハニーポットと同じものですか?いいえ。サイバーセキュリティのハニーポットは、防御側が攻撃者をおびき寄せて観察するために置くおとりのサーバーです。暗号資産のハニーポットトークンは、買い手をおびき寄せて出口を塞ぐトークンです。同じ言葉でも被害に遭うのは逆の側で、一方は侵入しようとする人を、もう一方は出ようとする人を捕まえます。

フリーズ権限があるトークンは、すべてハニーポットトークンですか?いいえ。フリーズ権限には正当な用途があります。規制を受けるトークンや一部のステーブルコインは、制裁や裁判所の命令に従うためにこれを残しています。匿名のミームコインで権限が開いたままなら危険信号ですが、監査を受けた規制対象の資産なら標準的な運用です。文脈で判断します。

この記事は投資助言ではありません。ここに書いた手順で罠の大半は見抜けますが、すべてを見抜けるわけではありません。

J
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