ハニーポットトークンとは?買えるのに売れない詐欺の見分け方
ハニーポットは、買うことはできるのに売ることができないように作られたトークンです。何が仕込まれているのか、買う前にどう見抜くかを手順で示します。

ハニーポットトークンとは
ハニーポットトークンは、買うことはできるのに売ることができないように作られたトークンです。チャートは上がり、購入は通り、ウォレットには残高が表示されます。売ろうとした瞬間だけ、取引が失敗します。
名前は、蜜の壺に落ちた虫が出られなくなることから来ています。買い手を集めるためにすべてが正常に見えるよう作られていて、異常に気づくのは自分の資金が出せないとわかった時点です。
どうやって売れなくしているのか
Solanaでのやり方は、大きく3つに分かれます。どれもトークンの設定として最初から仕込めるもので、後から追加されることもあります。
- フリーズ権限を残す。SPLトークンには、保有者のトークンアカウントを凍結できる権限があります。作成者がこれを持ったままなら、買った人のアカウントを個別に凍結して売却を止められます。
- Token-2022の転送制限。Token-2022という新しい規格には、転送そのものにルールを付けられる拡張があります。特定のアドレス以外への送信を禁止すれば、実質的に売却できません。
- 流動性の抜き取り。技術的には売れるのに、売る相手のプールが空になっているパターンです。厳密にはラグプルですが、利用者から見た結果は同じです。
1番目がSolanaでは最も多く、そして最も簡単に確認できます。
買う前に確認する手順
順番があります。上から順に見て、どれか1つでも引っかかったら買わないでください。
1. フリーズ権限を確認する。これが残っていたら、それだけで見送る理由になります。まっとうなトークンは発行時にこれを放棄しています。放棄されているかどうかは、ブロックエクスプローラーのトークン情報か、保有者スナップショットのトークン概要で確認できます。
2. ミント権限を確認する。追加発行の権限が残っていれば、作成者はいつでも供給量を増やせます。あなたの持ち分の価値は、その瞬間に薄まります。売れなくなるわけではありませんが、同じ種類の危険です。
3. 保有者の分布を見る。上位ウォレットが供給量の大半を握っているなら、売れたとしても値がつきません。保有者分布の読み方に、どの数字を見るべきかを書いています。
4. ウォレット同士のつながりを見る。保有者が50人いるように見えても、1人が管理する50個のウォレットであることがあります。J Mapの関連性マップは、資金の出どころが同じウォレットをまとめて描くので、この偽装が視覚的に出ます。
5. 少額で売ってみる。ここまで通ったら、買った直後にごく少額を売り戻してみてください。売れれば売却経路は生きています。この一手間が、あとから全額を失う可能性を消します。
専用のスキャナーはどこまで使えるか
RugCheckやSolSnifferのようなスキャナーは、上の1から3を自動でやってくれます。速いので最初のふるいには向いています。詳しい比較はRugCheck・SolSniffer・Bubblemapsの比較にまとめました。
ただしスコアは判定ではありません。スキャナーが見ているのは、その時点でオンチェーンに書かれている設定です。作成者が権限を放棄した後に別の方法で売却を止めることもありますし、新しい手口はスキャナーのルールより先に出てきます。緑色のスコアは「既知の罠は見つからなかった」という意味で、「安全」という意味ではありません。
ハニーポットとラグプルの違い
この2つはまとめて語られがちですが、起きていることが違います。区別しておくと、対策も分かれます。
| ハニーポット | ラグプル | |
|---|---|---|
| 止まる場所 | 売却の取引そのものが失敗する | 取引は通るが、売る相手がいない |
| 仕込み | トークンの権限や転送ルール | 流動性プールの持ち分 |
| 気づく時点 | 最初に売ろうとしたとき | プールが抜かれた直後 |
| 買う前の確認 | 権限の状態 | 流動性のロック状況 |
| 買った後の確認 | 少額の売り戻しが通るか | プール残高の推移 |
実務上の意味はこうです。少額の売り戻しテストはハニーポットを弾きますが、ラグプルは弾きません。ラグプルは、買った時点では何も異常がないからです。逆に、流動性がロックされていることを確認してもハニーポットは防げません。両方見る必要があります。
典型的な進み方
手口には型があります。順番を知っておくと、途中で気づけます。
まず、トークンが作られ、小さなプールが用意されます。この段階では権限が残っていることが多く、ここで確認すれば終わりです。次に、宣伝が始まります。SNSで急に名前を見かけるようになり、チャートが右上がりに描かれます。ここで入る買い手が、プールに実際の資金を入れる役割を担います。
そして買いが十分に集まったところで、仕掛けが作動します。ハニーポットなら、売り注文が失敗し始めます。ラグプルなら、プールが一度に抜かれ、チャートが垂直に落ちます。どちらも数分で終わります。
この流れのなかで、外から見えるのは最初の段階だけです。だから確認は買う前にしか意味がありません。スキャナー3種の比較で、どのツールがどの段階を見ているかを整理しています。
すでに掴んでしまったら
正直に書くと、ほとんどの場合は取り戻せません。オンチェーンの取引に取り消しはなく、フリーズ権限を持っているのは作成者だけです。
やれることは2つあります。1つは、そのトークンアカウントを閉じて、アカウント作成時にロックされていたレント分のSOLを回収することです。金額はごくわずかですが、放置しても戻ってきません。アカウントを閉じてレントを回収するから実行できます。
もう1つは、同じ作成者ウォレットを覚えておくことです。同じ人物が別の名前で次のトークンを出すのはよくある話で、Wallet Scope のウォレット分析でそのウォレットの動きを追っておけば、次は買わずに済みます。
この記事は投資助言ではありません。ここに書いた手順は罠の大半を弾きますが、すべてを弾くわけではありません。


