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DEXとは?中央集権取引所との違いを実際の使い方で比べる

DEX(分散型取引所)とCEXの違いを、資産の預け先、本人確認、上場の仕組み、手数料、復旧の可否で並べて比較します。どちらを使うべきかの判断材料もまとめました。

9 分で読めます J Tools Editorial
暗い背景に2つの取引所の対比図。片方は窓口とカウンターがあり、もう片方は自動で回る歯車だけで構成されている

DEXとは何か?

DEX(decentralized exchange、分散型取引所)は、トークンの交換をスマートコントラクトが処理する取引所です。注文を受け付ける会社がなく、資産を預ける先もありません。

取引のあいだも、あなたのトークンは自分のウォレットに入ったままです。対になるのがCEX(中央集権取引所)です。国内外の取引所と呼ばれるものは、ほとんどがこちらです。口座を開き、資金を送り、その会社の帳簿の上で売買します。出金するまで、その資産は取引所が預かっています。

DEXとCEXの違い

いちばんの違いは、資産を誰が持っているかです。そこが決まると、他の項目はほぼ自動的に決まります。

 DEXCEX
資産の保管自分のウォレット取引所が預かる
本人確認不要必須
取扱銘柄誰でもプールを作れるので、作ったその日から取引できる審査を通ったものだけ
手数料取引手数料 + ネットワーク手数料取引手数料、出金手数料
操作ミスの復旧できないサポートに相談できる場合がある
日本円の入出金できないできる

この表の下から2行目が、初心者にとっていちばん重い違いです。DEXでは送り先を間違えても、パスワードを失くしても、取り消してくれる相手がいません。

DEXはどうやって値段を決めているのか?

多くのDEXは板(オーダーブック)を持ちません。代わりに流動性プールとAMM(自動マーケットメイカー)という仕組みを使います。プールには交換対象の2種類のトークンが入っていて、AMMはその残高の比率から価格を計算します。

片方のトークンが買われるとプール内でその残高が減り、比率が変わり、価格が上がります。売れば逆に下がります。売り手を探す必要がないのはこのためで、相手は常にプールです。

ここで押さえておきたい用語がスリッページです。注文を出した瞬間の想定価格と、実際に約定した価格との差を指します。プールが小さいほど、同じ金額の注文が価格を大きく動かすので、スリッページは大きくなります。

橙と赤の液体が入った2つの容器がつながっている図。2種類のトークンを入れた流動性プールと、残高の比率で価格が決まる仕組みを表している

Solana上のDEX

Solanaには主要なDEXが複数あり、それぞれ性格が違います。Raydiumは板とAMMの両方を持ち、Orcaは集中流動性に強く、Meteoraは動的な手数料設計を持っています。そしてJupiterは、それらを横断して最良のルートを探すアグリゲーターです。

実際に交換するときは、個別のDEXを開くよりアグリゲーター経由のほうが有利になることが多くあります。J ToolsのSolanaスワップはJupiterのルーティングを使うので、複数のDEXに分割したルートも自動で選ばれます。主なDEXの詳しい違いはJupiter・Raydium・Orcaの比較にまとめました。

自分でプールを作る側に回ることもできます。流動性プールの作成はRaydium、Meteora、Orcaのいずれにも対応していて、手数料ティアと投入量を確認してから署名できます。

暗い背景に、四角い光の枠から何本もの光の筋が伸びていく図。複数のDEXをまたいで取引が流れるルートを表している

DEXで実際に払う費用は何か?

「手数料が安い」とだけ言われても判断できないので、内訳を分けます。DEXで1回スワップすると、費用は3つに分かれます。

  • ネットワーク手数料。Solanaに取引を書き込む費用で、基本部分は1回あたり0.000005 SOLです。計算方法はSolanaの手数料のドキュメントにあります。日本円にすると1円に届きません。
  • 優先手数料。混雑時に自分の取引を先に処理してもらうための上乗せです。任意ですが、混んでいる時間帯に省くと取引が通らないことがあります。いくら払うべきかは優先手数料の目安にまとめました。
  • プールの取引手数料。スワップ額に対する割合で決まり、プールごとに異なります。一般的なペアで0.25%前後、変動の小さいペアではもっと低く設定されます。これは流動性提供者への支払いです。

この3つとは別に、価格インパクトがあります。手数料ではありませんが、実質的にはコストです。薄いプールで大きく買うと自分の注文が価格を押し上げてしまい、その分だけ高く買うことになります。表示されるスリッページ許容値は、この動きをどこまで許すかの設定です。

初めてDEXを使うときの手順は?

順番だけ押さえれば、詰まるところはほとんどありません。

1. ウォレットを用意する。PhantomかSolflareが一般的です。どちらを選ぶかはPhantomとSolflareの比較で扱っています。シードフレーズは紙に書いて、画面のどこにも保存しないでください。

2. SOLを入れる。CEXで日本円をSOLに換え、自分のウォレットアドレスに送金します。最初は少額で1回テスト送金するのが確実です。

3. 手数料分を残す。SOLを全額スワップに回すと、取引を送る手数料が払えません。0.005 SOL程度は常に残しておきます。新しいトークンを受け取る口座を作るときの預り金(レント)と、次の取引の手数料のぶんです。

4. スワップする。交換したいトークンを選び、数量を入れ、表示される最低受取額を確認してから署名します。J Toolsのスワップ画面はJupiterのルートを使うので、複数DEXへの分割も自動で行われます。

5. 届いたか確認する。ウォレットに表示されないことがありますが、多くは表示側の問題で、資産は届いています。原因と直し方はPhantomにトークンが表示されないときにまとめています。

よくある失敗

初回に起きやすいものを4つ挙げます。どれも、起きてからでは取り返しがつきにくい失敗です。

  • SOLを使い切る。残高がゼロになると、次の取引を出す手数料が払えず、資産が動かせなくなります。
  • スリッページを上げすぎる。通らないからと20%などに上げると、不利な価格でもそのまま約定してしまいます。薄いプールでは、これを狙ったサンドイッチ攻撃の的にもなります。
  • シンボルだけで選ぶ。同じシンボルのトークンはいくつでも作れます。必ずミントアドレス(CA)で確認してください。
  • 中身を見ずに買う。買えるのに売れないハニーポットトークンは、DEXでは日常的に流通しています。

どちらを使うべきか?

用途で分かれます。日本円で暗号資産を買うところから始めるならCEXが必要です。日本円の入出金ができるのはCEXだけで、DEXにその機能はありません。

一方、上場前の新しいトークンを触る、資産を自分で管理したい、審査を待ちたくない、という場面ではDEXになります。Solanaの新しいトークンの大半はDEXにしか存在せず、CEXに載るとしてもずっと後です。

実際には、両方を使う人が少なくありません。CEXで日本円をSOLに換え、DEXに送って個別のトークンを扱い、利益確定するときにまたCEXに戻す。この流れが一般的です。

DEXを触りはじめる前に、買おうとしているトークンの中身を見る癖をつけてください。保有者の分布を見れば、上位10ウォレットが供給量のどれだけを握っているかが数秒でわかります。上位が偏っているトークンは、そのうちの1人が売っただけで価格が崩れます。

J
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