複数ウォレットの一斉売却:Solanaで起きること
複数のウォレットが同じトークンを同時に売ると何が起きるのか。Jitoバンドルの運び方、価格の下落、バンドルが守るもの、買い手が確かめる点を解説します。

一斉売却とは、複数のウォレットが同じトークンを同時に売ることで、売りは通常Jitoバンドルに詰めて送られます。
一斉売却がふさぐのは、自分の売りと売りの間の隙間だけです。価格の下落は小さくならず、ウォレットの持ち主も隠せません。以下、仕組みと確認点を順に見ます。
一斉売却の仕組み:1ウォレット1トランザクション

Solanaのトランザクションは変更を承認するアカウントの署名を持ち、全体で成功か失敗かが決まります(Solana公式のトランザクション解説)。売りに署名できるのはそのウォレットだけなので、売るウォレットの数だけトランザクションができます。
Jitoの低遅延送信ドキュメントによると、Jitoバンドルは最大5件のトランザクションを順番どおり同じスロット内で実行し、全部入るか何も入らないかです。
長い一覧は1つのバンドルに収まらないため、バンドルトレードはウォレットを数個ずつ多数のバンドルに分けます。全部か無しかはバンドル単位です。入るブロックも成否もバンドルごとに異なることがあります。分け方は実行前に、反映数は実行後に画面に出ます。
バンドル内の売りは送信前に署名済みなので、1つのバンドルに複数の売りがあれば、1人の送り手が集めたということです。バンドルトレードでは、すべての秘密鍵を貼り付けたあなたがその送り手です(Jitoバンドルの仕組みと限界)。
一斉売却でも価格の下落は小さくならない
プール(卒業前のPump.funならボンディングカーブ)はリザーブから売り1件ごとの価格を決めます。後の売りほど約定価格は下がり、最初のウォレットが最良、最後が最悪です。
連続した売りは手数料を除けば、合計量を1回で売ったのと同じだけプールを動かし、受け取るSOLの合計も同じです。プールはリザーブしか見ず、誰の売りかは関係ありません。
一斉売却は合計量を1回で売るのと同じだけ価格を動かします。バンドルが決めるのは順番と隙間で、下落の大きさではありません。
売った後はSOL側が減り、次の同じ大きさの取引で価格はより大きく動きます。動く幅は深さ、つまりPump.funならカーブの、PumpSwapやRaydiumならプールの公開リザーブで決まります(流動性プールの深さとリスク)。
バンドルが守るもの、守らないもの
一斉売却でバンドルが守るのは、1つのバンドル内に外部の取引が割り込めないことだけです。直前と直後、バンドル同士の間では他人も取引できます。スキップされたブロック(uncledブロック)に入ると中身が通常の経路で再配信されることがあり、その場合は全部か無しかのルールは働きません。
ブロックに入ること自体も保証されません。オークションでは低いチップが負けることがあり、再試行中も価格は動きます。
自分のウォレットなら:正当な使い道
自分の複数ウォレットによる一斉売却が正当で透明なのは、たとえば次の場合です。
- チームが、公表済みのローンチ用ウォレットを告知したうえで空にする。
- 事前に公表した計画に沿ってトレジャリーを縮小する。
- 自分のテスト用ウォレットから資金を戻す(j.toolsはメインネット専用なので、メインネットでの少額テスト)。
共通点は、売る前にウォレットと計画が公開されていることです。バンドルは売りを隠さず、1つのバンドルの売りを同じスロットに並べます。
知らされていない供給を買い手に売ることこそ、バンドルローンチを見抜く方法の記事が挙げる危険信号です。バンドルはそれをエクスプローラにそのまま並べます。
本記事は投資助言ではなく、売る時期や目標価格は扱いません。
1つのバンドルか、1ウォレットずつか
| 方法 | 売りの入り方 | 1件失敗すると | 間に他人が入れるか | コスト |
|---|---|---|---|---|
| バンドルトレード(売る) | バンドル単位で連続して入るか、入らない | そのバンドルごと失敗 | バンドル内は不可、前後と間は可 | ウォレットごとのプラットフォーム手数料とJitoチップ |
| マルチスワップ | ウォレットごとに別の取引。インターバルはオフ、固定、ランダム、順次(前の売りの確定を待つ) | 他は続行、失敗分だけ再試行できる | 可 | 取引ごとのプラットフォーム手数料。Jitoのリレーチップは任意で、初期設定はオフ |
| 1ウォレットずつ:Jupiter経由のスワップ | 接続中のウォレットで1回ずつ | その売りだけ失敗 | 可 | 取引ごとの手数料 |
どの方法でも、ウォレットの持ち主は隠せません。資金の流れは公開され、タイミングはシグナルの1つにすぎません。
バンドルトレードで一斉売却を行う手順
各ウォレットの秘密鍵を貼り付けます。ページには、インポートした鍵はブラウザ内でローカルに署名すること、J Toolsが秘密鍵を預かることはないことが書かれ、「秘密鍵は誰にも教えないでください」とあります。自分のウォレットの鍵だけを、j.toolsのページで使ってください。
- 売るモードとトークンを選ぶ。ルートは「自動」(開始時の市場をPump.funのカーブ、PumpSwap、Raydiumから選ぶ)か固定です。転送フックや転送手数料付きのToken-2022トークンは対象外です。
- ウォレットをインポートする。各ウォレットに売るトークンと、ネットワーク手数料、プラットフォーム手数料、チップの分担分のSOLが前払いで要ります。不足するウォレットは、バンドルを巻き込まずメモ付きで外されます。
- 金額を決める。最大(全体)、パーセント、均等、手動のどれかです。
- チップを選ぶ。低、中、高かカスタムで、今の水準を下回ればサーバーが引き上げます。高いチップは有利な入札ですが、保証ではありません。
- スリッページを決める。自動か自分の上限です。浅いプールほど幅が要り、1ウォレットでも超えるとバンドルごと失敗します。
- 確認して実行する。プランの行で分け方を、コストの概要で手数料とチップの合計を確かめます。実行はこのタブで進み、閉じると止まります。
- 結果を読む。反映された数とされなかった数が出ます。入らなかった分は手数料もチップもかからず、何も入らなければ請求はゼロです。入らなかったバンドルは新しいblockhashと高めのチップで再試行されます。
1回の実行は1モードで、買いと売りを1つのアトミックなグループに混ぜるツールはありません。すべてメインネット専用です。
一斉売却の後:ウォレットの片付け

アカウントの閉鎖のマルチウォレットモードは、多数のウォレットの秘密鍵で、閉じられるSPLとToken-2022の口座をまとめて閉じます。回収したレントは初期設定で接続中のウォレットに戻り、手数料もそこから払えます。残高のある口座は「バーン&クローズ」が先にバーンします。
残ったSOLは一括回収で1つの宛先に集めます。ページによると、秘密鍵はローカルで処理され、保存されません。
最後に保有者スナップショットで、自分のウォレットがもう保有していないか確かめます。
買い手に見える一斉売却と確認点
外から見た一斉売却は、バンドルごとに複数のウォレットの売りが同じスロットに並び、直後に価格が急落する形です。間隔を空けても、つながりは切れません。
確かめるのは次の4点です。
- どのウォレットが売ったか。エクスプローラで各取引の署名者とスロットが見えます。
- 資金提供者は共通か。アドレスをWallet Scopeのウォレット分析に貼り、「クラスター」表示を開きます。
- 誰がどれだけ持つか。保有者スナップショットで集中度を見ます。
- ウォレットと計画は事前に示されたか。告知の日付が売りより前かを見ます。
告知済みでも不意打ちでも一斉売却の跡は同じで、違うのは事前の説明の有無です。供給の集中は、バンドルでは消えないリスクです。
一斉売却のよくある質問
バンドルで売れば価格の下落は小さくなりますか?
なりません。手数料を除けば、プールは合計量を1回で売ったときと同じだけ動きます。バンドルは売りの間の隙間をふさぐだけです。
すべてのウォレットの売りが同じブロックに入りますか?
同じバンドルのウォレットだけです。長い一覧は多数のバンドルに分かれ、入るブロックも成否もバンドルごとに決まります。
売りの間にボットは取引できますか?
1つのバンドル内ではできませんが、前後やバンドル間ではできます。スキップされたブロックに入ると、全部か無しかのルールなしで再配信されることもあります。
間隔を空けて売れば、つながりは隠せますか?
隠せません。送金、保有、履歴は公開のままで、Wallet Scopeの「クラスター」表示は共通の資金提供者でまとめます。タイミングはシグナルの1つにすぎません。
一斉売却はラグプルですか?
それだけでは違います。公表したウォレットで公表した計画どおりに売るのは、言ったとおりの行動です。危険信号は、知らされていない供給が買い手に売られることです。どちらでも下落は本物です。
バンドルが決めること、決めないこと
バンドルが決めるのは売りの入り方で、グループ内では順番どおり、割り込みなしに入ります。下落の幅も、誰に見えるかも決めません。自分のウォレットなら、一斉売却の前にウォレットと計画を公開してください。


