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メタデータのロックとは:トークンのブランドで固まるもの、固まらないもの

メタデータのロックはトークンの名前、シンボル、URIを固めますが、ロゴの入ったファイルまでは固めません。ブランドが手放すものとロック前の点検を解説します。

13 分で読めます J Tools Editorial
黒に近い背景で、赤橙色に光る縁をもつ四本スポークの丸いハンドルが回転してぶれ、煙が立ちのぼっている。右には蝋の封印と三つのチェックの型押しがある茶色い革のクリップボードが置かれ、閉じたバルブと封をしたチェックリストを表している

メタデータのロックは、トークンの名前とシンボル、ファイルを指すURIを永久に固定する操作で、あとから取り消すことはできません。

ただ、ブランドの話になると少し込み入ります。ロゴはチェーンの外のファイルにあり、メタデータのロックが固めるのは、そのファイルへのリンクまでだからです。

メタデータのロックで固まるもの

暗い灰色の壁に並ぶ三つの南京錠。左は掛け金が上がった開いた真鍮の錠、中央は胴が割れて右側がずれた錠、右は掛け金のない暗い金属の塊で、下から赤い光に照らされている

一般的なSPLトークンでは、ブランドの情報が二つの層に分かれています。一つ目はミントに結びついたMetaplexのメタデータアカウントで、名前、シンボル、URIの三つをチェーン上に保存します。URIは、チェーンの外に置かれたJSONファイルを指すリンクです。

二つ目の層がそのファイルで、説明文、ウェブサイトやX、Telegram、Discordへのリンク、そしてロゴが入っています。ロゴ自体もファイルの中の画像リンク(image)なので、URIと画像リンクを順にたどって初めて表示されます。

メタデータのロックとは、このアカウントにある変更可否のフラグ(Is Mutable)をfalseにすることです。以後の変更はすべて拒否され、trueには戻せません。Metaplexの公式ドキュメントも、ファイルまで不変にするには、このフラグと恒久的なストレージの組み合わせが要るとしています。

ブランドの要素置き場所ロックのあと
名前チェーン上二度と変わらない
シンボルチェーン上二度と変わらない
URIチェーン上二度と変わらない
説明文とリンクファイルの中ファイルが変えられるなら変わる
ロゴファイルの中の画像リンク同じく変わり得る。画像を置いたホストも関係する

URIの先のファイルが、本当に固まる範囲を決める

メタデータのロックが固めるのは表の上の三行、つまりURIというリンクまでで、リンクの先のファイルではありません。住所は変えられなくなっても、その住所に建つ家は建て替えられる、という関係です。

URIが普通のウェブサーバーや借りたドメインを指していれば、管理する人はロック後もファイルを差し替えられ、ロゴも変えられます。契約が切れればファイルは消え、ロゴと説明文、リンクが表示されなくなりますが、チェーン上の名前とシンボルは残ります。

IPFSのリンクは、内容の暗号学的なハッシュから作ったCIDで中身を指します。内容が少しでも違えばCIDも変わるので、同じリンクで別のロゴは出せません。ただし、少なくとも一つのノードがピン留めしている間しか取り出せません。Arweaveは恒久保存をうたうストレージで、Metaplexが組み合わせる相手に挙げているのもこちらです。

見落としやすいのは二段目です。JSONファイルをArweaveに置いても、中の画像リンクが普通のサーバーを指していれば、ロゴは差し替えも消失も起こり得ます。

買う側へ:メタデータのロックがエクスプローラーで確認できても、ロゴが固定された証明にはなりません。URIと画像リンクを開き、置き場所を見てください。ロゴが読み込まれないと保有者に何が見えるかは、Phantomにトークンが表示されない原因と直し方で説明しています。

ブランドが手放すもの

メタデータのロックのあとは、誤字も直せず、リブランドもできません。ドメインやSNSのアカウントが変わってもリンクは差し替えられず、ホストが消えても別のファイルへ向け直せません。新しい名前やロゴが要るなら、新しいミントを作るしかありません。

その代わり保有者は、名前やロゴが裏で入れ替えられないと確信できます。ただしそれは、ファイルと画像リンクが差し替えのきかない場所にある場合の話です。

ブランドが完成し、この先いじる予定もないコミュニティのトークンなら、すべてを閉じるロックが合います。リブランドを控えたプロジェクトなら、メタデータは開けておき、仕上がった部分だけ先に閉じるのが筋です。

迷ったら「この先12か月のうちに、名前やロゴ、リンクを変える必要が出てくるか」と自問してください。答えがはいなら、まだロックの時期ではありません。

ロックの前に確かめるブランドの点検リスト

  1. 名前とシンボルを一字ずつ確かめる。誤字も永久に残る。
  2. ロゴがPhantomとエクスプローラーの両方で表示されるか見る。
  3. URIをブラウザで開き、JSONが読み込まれるか(404でないか)、中の画像リンクも開けるかを確かめる。
  4. ファイル内のウェブサイトやSNSのリンクが、今後も手放さないアカウントとドメインを指しているか見る。
  5. ファイルと画像リンクの両方を、内容で中身を指すストレージか恒久的なストレージに置く。メタデータを変更できるうちに済ませる。
  6. そのうえでロックする。

メタデータのロックの前なら、Solanaトークンメタデータを更新のツールで直せます。メタデータが変更できる間だけ、更新権限を持つウォレットから名前、シンボル、ロゴ、リンクを変えられます。発行後の作業の全体はトークンローンチ後にやることの手順にまとめています。

メタデータだけを閉じるか、すべてを閉じるか

濃い色の木のテーブルに置かれたクリーム色の封筒の上で、木の柄の真鍮の印章が、まだ溶けている赤橙色の封蝋に押し当てられ、周りに蝋のしずくが飛んでいる

メタデータのロックだけなら、更新権限の取り消しのツールで足ります。更新権限を持つウォレットでフラグをfalseにし、承認後にアカウントを読み直して結果を確かめます。

Solanaトークンを不変にするツールは、トークンの状態を読み、接続中のウォレットがまだ持つロックだけを一つのトランザクションにまとめます(ミント権限とフリーズ権限をなしに、フラグをfalseに)。取り消し済みや別のウォレットの権限は飛ばします。プラットフォーム手数料は署名前にページに表示され、同じトランザクションで支払われます。まとめれば、ロックが中途半端に終わりません。

ミントとフリーズはブランドとは別のロックです。ミント権限を取り消すと供給量は永久に固定され、フリーズ権限を取り消すと誰もフリーズも解除もできなくなります。その時点でフリーズ中のアカウントは永久にそのままなので、誤ってフリーズしたものは先に解除してください。

Solanaトークン作成ツールなら、メタデータをロックしたまま発行し、ミントとフリーズも同じ流れで取り消せます。権限ごとの手順はSolanaトークンの権限を放棄する手順へ。

元に戻せません。ロックは確定した瞬間に最終的なものになり、j.toolsのツールはメインネット専用です。練習はdevnetでSolana CLIを使い(ミント権限ならspl-token authorize <mint> mint --disable)、テスト用のSOLはDevnetフォーセットで受け取れます。

Token-2022のトークンでは見る場所が違う

Token-2022のトークンは、名前、シンボル、URIと専用の更新権限をミント自体に持てます(TokenMetadata拡張)。この更新権限を消すことがメタデータのロックです。メタデータポインターという拡張にも置き場所を指し直す権限があり、完全に固めるにはどちらも残っていないことが条件です(Solana公式ドキュメントのメタデータ拡張の解説)。

j.toolsのロック用ツールが扱うのは、一般的なSPLトークンのMetaplexのメタデータです。Token-2022なら、この二つとほかの拡張の権限を先に確かめてください(Token-2022とSPLトークンの違い)。

ロックが効いているかを確かめる

エクスプローラーでミントを開き、取り消したならミント権限とフリーズ権限が空か、メタデータの変更可否のフラグがfalseかを見ます。表示名はエクスプローラーごとに違うので、意味で探してください。

続いてURIと、JSONの中の画像リンクを開きます。買い手も同じ確認をしており、買う前に確かめるラグプルのチェックでもメタデータのロックは項目の一つです。

メタデータのロックについてよくある質問

エクスプローラーに更新権限が表示されたままです。ロックされていますか?

変更可否のフラグがfalseなら、ロックされています。Metaplexのメタデータではフラグが決め手で、アドレスは表示されたまま残ることがあります。j.toolsのロックもアドレスは変えず、フラグだけを切り替えます。

メタデータのロックのあとでも、ロゴは変わりますか?

ファイルか画像リンクが誰かの管理するサーバーにあれば、変わり得ます。IPFSのCIDで指したリンクは別の内容を出せず、Arweaveは恒久保存のストレージです。ホストが消えればロゴも消え、向け直す手段はありません。

リブランドのために、あとでロックを解除できますか?

できません。フラグは一方通行で、新しい名前やロゴには新しいミントが必要です。

メタデータをロックすると、供給量も固定されますか?

されません。ミント権限とフリーズ権限は別のロックです(Solanaトークンを不変にするツールなら、接続したウォレットが持つものをまとめて閉じられます)。また保有者は自分のアカウントからトークンをバーンできるので、供給量はその後も減り得ます。

メタデータがロックされていれば、買っても安全ですか?

名前やロゴがすり替えられるリスクが一つ消えるだけです。流動性や保有者の分布、需要については何も語らず、価格を動かすものでもありません。

ブランドが仕上がり、ファイルと画像リンクがどちらも差し替えのきかない場所に置けたら、それがメタデータのロックの時期です。発行から考えるなら、コードなしでSolanaトークンを作る手順から始めてください。

J
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