Solanaでよくあるトークンのトラブル10選と対処法
売れない、表示がおかしい、届いた量が少ない。Solanaでトークンを持つ人がぶつかる10のトラブルを、症状、原因、対処の順に説明します。

Solanaのトークンを持っていると、いつか何かしらのトークンのトラブルにぶつかります。ただ、原因の種類は多くなく、同じパターンの繰り返しです。
ここでは保有者がぶつかる10のトークンのトラブルを、症状、原因、対処の順に並べます。発行したチームにしか直せないものは、その旨を明記します。
トークンのトラブルは、まずエクスプローラーで切り分ける
トークンの正体はミントというアカウントで、残高はトークンごとのトークンアカウントに入ります。ミントには総供給量、ミント権限、フリーズ権限が記録され、ミント権限がなければ供給量は固定です(Solana公式のトークンの解説)。
どのトークンのトラブルでも、判定役はSolscanなどのエクスプローラーです。自分のアドレスのページで保有トークンとフリーズの有無を、トークンのページで各権限と、従来のSPLかToken-2022かを確かめます。
1. 買った覚えのないトークンが届く

誰でも任意のアドレスにトークンを送れ、受け取り側のトークンアカウントの作成費まで払えます。持つだけなら無害で、危ないのは触ったときです。名前やメタデータのリンク、誘導先のサイト、承認を求める取引が、資産を抜かれる入口になり得ます。
勝手に届いたトークンは売ろうとせず、リンクも開かないでください。
このトークンのトラブルの片付け方は2つです。ウォレットで非表示にするか、残高をバーンして空のアカウントを閉じ、預り金を取り戻すか。残高があるままでは閉じられませんが、アカウントの閉鎖の「バーン&クローズ」なら、確認のあとで残高をバーンしてから閉じます。操作は接続したウォレットで行います。
2. トークンが「不明」と出る、ロゴが違う、見当たらない
表示のトークンのトラブルも、まずエクスプローラーで自分のアドレスを開きます。載っていれば表示だけの問題で、スパムとして隠されたか、名前とロゴをまだ読み込めていないかです。ウォレット内は名前ではなくミントアドレスで探してください。エクスプローラーにもなければ未着で、取引の失敗や保留、チェーン違い、未送信のどれかです(Phantomにトークンが表示されない原因)。
名前やロゴはメタデータで決まり、変えられるのは更新権限を持つウォレットだけなので、他人のトークンのロゴは保有者には直せません。
3. Pump.funのコインが卒業後に売れない
ボンディングカーブが完了すると、Pump.funのプログラムはカーブでの取引を拒み、流動性はPumpSwapのプールへ移ります。カーブを指したままのアプリやボット、保存したルートは失敗し、PumpSwapに対応したルートなら通ります(卒業後の取引所PumpSwapの解説)。
ウォレット1つならスワップで売れます。Jupiterを経由するので、ルートにはPump.funのカーブもPumpSwapのプールも入り、承認前に見積もりと最低受取量が出ます。標準のPump.funのコインにはフリーズ権限がないので、卒業後に売れないトークンのトラブルはフリーズではなくルートの問題です。
4. 少額でも売却が失敗する
売れないというトークンのトラブルでは、まずエラーを読みます。よくある原因は4つ。値動きがスリッページの上限を超えた。その量に見合うルートや流動性がない。アカウントがフリーズされている(問題9)。Token-2022の拡張(転送フック、永久デリゲート、転送手数料)が転送を止めるか、手数料を引いている。見分け方は売れないハニーポットトークンの解説へ。
少額の売却が通って分かるのは、ルートがあり、その時点でフリーズされていないことだけで、後のフリーズや手数料、転送の停止までは分かりません。少額の失敗も、残りが永久に動かない証拠ではなく、原因はエラーが示します。
5. 送られた量より少なく届いた
届いた量が少ないトークンのトラブルは、転送手数料のせいかもしれません。Token-2022のトークンには転送手数料を付けられ、転送のたびに設定された手数料が引かれ、受け取った側のトークンアカウントに留保されます。故障ではありません。買う前に拡張を確認してください(Token-2022の転送手数料の仕組み)。
留保された手数料が残るアカウントは、引き出すか回収するまで閉じられません(問題8)。
6. 供給量がまだ増やせる(ミント権限が開いている)
ミント権限を持つ者はいつでも新しいトークンを発行でき、保有者全員の持ち分が薄まります。権限をNoneにすれば、二度と戻りません。
ただ、残っているミント権限は常につきまとうリスクであって、詐欺の証拠ではありません。理由を示して残し、あとで取り消すチームもあります。警戒すべきは取り消す予定のない権限です。自分のトークンならミント取り消しが1回の取引で外します(従来のSPLもToken-2022も対応)。
7. 供給量が一部のウォレットに集中している
集中はどの権限の欄にも出ないトークンのトラブルで、売り圧力のリスクです。流動性プールや取引所のウォレットは人ではないので数えません。詳しくはトークンの保有者分布の読み方へ。
保有者スナップショットは現在の保有者を読み、上位10の集中度、開発者の持ち分、流動性、新規ウォレットの供給量をスコアカードにまとめ、各行に開発者、クジラ、新規ウォレット、流動性、取引所、バーンのタグを付けます。結果は実行時点のもので、一覧はExcelで書き出せます。権限の状態は出ません。
8. 空のトークンアカウントにSOLが残っている
トークンアカウントには預り金が入っており、売り切っても空のアカウントは残ります。閉じれば、その預り金がウォレットに戻ります(空のアカウントから預り金を戻す解説)。
アカウントの閉鎖は接続したウォレットの各アカウントを残高と預り金つきで並べ、選んだものをまとめて閉じます。1回の取引に複数のアカウントが入り、承認は取引ごとに1回なので、長い一覧なら承認も数回です。残高のあるままフリーズされたもの、手数料が留保されたもの、閉鎖権限が別のウォレットにあるものには、閉じられない印が付きます。
9. フリーズ権限が開いている、またはアカウントがフリーズされた

フリーズされたアカウントは残高を保ったまま送金も受け取りもバーンもできず、フリーズできるのはフリーズ権限が残るミントだけです(Solana公式のフリーズの解説)。
これは保有者には解けないトークンのトラブルです。解除できるのはミントのフリーズ権限だけで、売却は解除まで待つしかなく、残高があればバーンも閉鎖もできません。
フリーズのあとでフリーズ権限が取り消されると、もう誰もそのフリーズを解除できません。
対策は買う前です。フリーズ権限の欄が空(エクスプローラーではNone)か確かめてください。自分のトークンならフリーズ取り消しがその権限を永久に外し、残高は変わりません。
10. 名前やロゴがまだ変えられる(更新権限が開いている)
更新権限が生きている間、権限の持ち主は名前、シンボル、画像、リンクを変えられるので、買ったあとでトークンが別の顔になることもあります。自分のトークンなら更新権限の取り消しでその権限を永久に外せます。
トークンのトラブルを防ぐ、買う前の5つの確認
- ミント権限:開いていれば供給量が増え得る(問題6)
- フリーズ権限:空になっているか(問題9)
- 更新権限:メタデータがまだ変えられるか(問題10)
- Token-2022の拡張:転送手数料、転送フック、永久デリゲート(問題4、5)
- 保有者の分散:一部に集中していないか(問題7)
全体のチェックリストは買う前にラグプルを見抜く確認項目へ。技術的な確認で、投資助言ではありません。
トークンのトラブルのよくある質問
買った覚えのないトークンが届くのはなぜですか?
誰でも任意のアドレスに送れるからです。受け取るだけなら無害です。リンクは開かず、取引も承認せず、隠すかバーンしてアカウントを閉じてください。
ミント権限が開いていれば、必ずラグプルですか?
いいえ。常につきまとうリスクではありますが、理由があって残し、あとで取り消すチームもあります。取り消す予定のない権限が警戒のサインです。
Pump.funのコインはフリーズされますか?
標準のPump.funのコインはフリーズ権限なしで作られるので、されません(エクスプローラーで確認できます)。卒業後に売れないのはルートの問題です(問題3)。
フリーズ権限を取り消せば、フリーズは解けますか?
いいえ。解除できるのはフリーズ権限だけで、それが取り消されると、以前にフリーズされたアカウントは永久にそのままです。
トークンが残っているアカウントは閉じられますか?
残高がゼロになるまで閉じられません。バーンするか、残すなら別のウォレットへ移してから閉じます(バーン&クローズは両方を一度に)。残高のあるフリーズされたアカウントは、バーンも閉鎖もできません。
日頃の3つの習慣
ウォレットを片付けておく(問題1、8)。売れなければ、何より先にエラーを読む(問題3、4、9)。持つ前に5つの欄を見る(問題6、7、9、10)。トークンのトラブルに備える基本は、この3つです。


