トークンアンロックの追い方:2026年7月のPUMPを例に
2026年7月12日のPUMPトークンアンロックの報道を、9月30日時点のチェーンと照らし合わせました。報じられた配分は確認できませんでした。追い方も紹介します。

報道によると、PUMPのトークンアンロックは2026年7月12日にありました。2026年9月30日にチェーンを読むと、報じられた配分は確認できませんでしたが、トークンアンロックを自分で追う手順は使えます。
このガイドは、報道が伝えたこと、チェーンで読めたこと、トークンアンロックを追う手順の順に進みます。金額や値動きは載せず、受け取った側が売ったかどうかの判定もしません。
2026年7月のPUMPトークンアンロックで報じられたこと

トークンアンロックとは、ベスティングの予定で止められていたトークンが、決められた時点から動かせるようになることです。変わるのは保有者にできることで、実際にしたことではありません。
報道では、7月12日に825億PUMPがアンロックされ、7月15日までにそのうち572億7900万PUMPが121個のウォレットに届いたとされています。報道はそのウォレットを、チームと投資家のものと説明しています。ウォレットに名前は付かず、持ち主はチェーンから確かめられません。
これらは報道の数字です。公式の発表は見つからず、リンクも付けていません。Pump.funの公式ドキュメントにも、このトークンのスケジュールやアンロックの記述は見つかりませんでした。
アンロック当日の様子は、2026年7月のSolanaオンチェーンデータのレポートで伝えています。
2026年9月30日にチェーンで読めたこと
私たちが2026年9月30日に読んだところ、PUMPはToken-2022のミントで、ミント権限もフリーズ権限も空でした。Solana公式のドキュメントでは、ミント権限はトークンを追加で発行できるアカウント、フリーズ権限はトークンアカウントをフリーズできるアカウントとされています(Solana公式のトークンの解説)。
つまり、ミント権限でPUMPを追加発行することも、フリーズ権限で保有者のアカウントをフリーズすることもできません。同じ日の供給量は約8310億PUMPでした。増えることはなく、減る方向にしか動かないので、最新の値を確かめてください。
報じられた配分は、チェーンでは確認できませんでした。報道にはこちらで調べられるアドレスがありませんでした。このトークンの履歴は、7月15日の短い時間帯だけでも取引が非常に多く、送り元のアドレスがなければ、そこから配分を拾い出せません。受け取り側がチームや投資家であることを示すものも、チェーンにはありません。
2026年9月30日時点で、保有量の多い順にPUMPのトークンアカウントを20件調べました。持ち主が取引所ほどの規模のSOLを持つものと、7月にはまだなかったものを除くと、15件が残ります。そのうち13件には、2026年7月10日から20日のあいだに取引が一件もありませんでした。
この数字が示さないのは、そのアカウントの持ち主が誰かと、報じられた受け取り側が何をしたかです。
残りの2件は、どちらも7月、8月、9月の14日に動きがありました。うち1件の7月の取引を読むと、トークンはSquadsのマルチシグ(動かすのに複数の承認が要るウォレット)を通って、新しいStreamflowのベスティングストリームへ移っていました。
Streamflowはベスティングのサービスで、ドキュメントによると、スケジュールどおりにトークンを放出する契約を作れ、アンロック分を受取人のウォレットへ直接支払う(オートクレーム)こともできます(Streamflowのベスティングの解説)。
この1件の7月の取引に、報じられた配分は見当たりませんでした。ただし全アカウントを読んだわけではなく、これは報道を裏づけも否定もしません。
8月と9月の14日の動きも、7月と同じ流れに合います(当日の取引はすべて読んでいません)。一日にまとめて届く一回の配分というより、月ごとの分割で動くスケジュールのように見えます。ただしこれは公開された取引の読み取りで、PUMPの公式なスケジュールではありません。
トークンアンロックを自分で追う手順
ベスティングのスケジュールは、割り当てを時間をかけて放出する計画です。クリフは、それより前には何もアンロックされない日のことで、Streamflowの説明では、決めた量が一度にアンロックされ、そこから通常のベスティングが続く日を指します。
線形リリースは、同じ長さの期間ごとに等しい量がアンロックされていく方式です。アンロックされたトークンは、受取人が請求するまで契約に残ることも、ウォレットへ自動で払われることもあり、どちらもトークンアンロックです。
- トークンアンロックの予定を、出どころで確かめます。プロジェクトの公式ドキュメントや発表、ベスティングのサービスの公開ダッシュボードを探します。見つからなければ、そう書き留めます。
- 保有者の一覧から、判断の材料にならないアカウントを外します。取引所(多くの顧客の預かり分で、一人の持ち分ではありません)、カストディ、流動性プール、ベスティングのアカウント(人ではなくプログラムが持ちます)、バーンアドレスです。見分け方は保有者分布の読み方の解説にあります。保有者スナップショットは、ミントアドレスから今の保有者を調べ、大きな保有者の多くに分類を付け、一覧を書き出せます。
- 日付を付けて基準を残します。アンロック日より前に一覧を保存できるなら、保存します。数日後と予定日のあとに戻って、残高を比べます。
- 資金源のクラスターは手がかりとして読みます。最初のSOLが同じプライベートウォレットから来たウォレットは、一つのクラスターになります。Wallet Scopeで資金提供者を調べると、貼り付けたアドレスの残高や保有、ウォレットの年齢が読め、クラスター表示では取引所とブリッジの資金提供者が別に並びます。J Mapで関係を見ると、トークンの上位保有者が、送金や資金提供でつながるクラスターとして描かれます。読み方はRugCheck、SolSniffer、Bubblemapsの比較とバンドルローンチを見抜く方法にあります。
- 残高が動いていたら、動いたことと売ったことを分けます。二つのウォレットのあいだの移動は、それだけでは何も語りません。取引所の入金アドレスへの移動は重みが増します。取引所は顧客ごとに入金アドレスを割り当て、そこへ送られたトークンは顧客の取引所の口座に入ります。それでも売られずに残ることはあります。
トークンアンロックの追跡では、クラスターも移動も手がかりであって証拠ではなく、意図までは示しません。
トークンアンロックの確認でわからないこと

この確認が見るのは公開されたチェーンのデータだけで、意図は見えません。ウォレットから出ていった送金だけでは、手放したのか保管先を変えただけなのかを区別できません。チェーンの外で成立した取引は、まったく出てきません。
取引所の入金アドレスは入れ替わり、ラベルも完全ではありません。保有者の一覧が正しいのは取得した瞬間だけで、ベスティングのアカウントは、とても大きな保有者に見えることがあります。
この記事は投資助言ではありません。トークンを選ぶ前の確認は別の作業で、Solanaのラグプルを見抜く8つのチェックにまとめています。
トークンアンロックに関するよくある質問
トークンアンロックとは何で、トークンが売られたという意味ですか?
トークンアンロックは、予定された時点から、止められていたトークンを動かせるようになることです。変わるのは保有者にできることで、売却は別の手順です。
クリフと線形リリースは何が違いますか?
クリフは、それより前には何もアンロックされない日で、Streamflowの説明では、決めた量が一度にアンロックされる日です。線形リリースは、同じ長さの期間ごとに等しい量を渡す方式で、一つのスケジュールがどちらか、または両方を使うこともあります。
2026年7月のPUMPトークンアンロックは、チェーンで確認できますか?
報道が伝えた配分は確認できませんでした。公式の発表もアドレスの一覧も見つからず、トークンの履歴からも拾い出せなかったためです。チェーンで読めたのは、空のミント権限とフリーズ権限、2026年9月30日の約8310億PUMPの供給量、毎月14日のベスティングの分割に見える動きです。
ウォレットのクラスターは、同じ人のウォレットという意味ですか?
いいえ。共通の資金源は、よく調べる理由にはなります。ただ、チームによる支払い、取引所、マーケットメイカーは、チェーン上ではどれも同じに見えます。チェーンが示すのはつながりで、その理由ではありません。
二つのウォレットのあいだの移動は、トークンが売られたという意味ですか?
いいえ。ウォレットのあいだの移動も、ベスティングやカストディのアカウントへの移動も、売却ではありません。取引所の入金アドレスへの移動は重みが増しますが、送られたトークンが売られずに残ることもあり、チェーンの外で成立した取引は出てきません。
記録として残るのは、報道が伝えた数字と、2026年9月30日にチェーンで読めたことです。トークンアンロックを追う手順は、どのトークンにも使えます。


