Pump.funのボンディングカーブの仕組み|計算式・五つの区間・卒業
Pump.funのボンディングカーブが価格を決める仕組みを、公開された初期値から計算します。定数積の式、五つの区間、約85 SOLで完了する理由、卒業後の移行まで。

Pump.funの標準的なコインは、作られた瞬間からボンディングカーブの上で売買されます。価格を決めるのは板ではなく、カーブが抱える残高の比率です。
ここではボンディングカーブの式と初期値、区間、卒業までを数字で見ます。
ボンディングカーブとは何か
ボンディングカーブは、式で価格を出し続ける自動の取引相手です。板も、作成者が資金を入れるプールもありません。買えば価格は上がり、売れば同じカーブを下ります。
式はUniswap V2と同じ定数積型(x × y = k)ですが、xとyは預けた資金ではなくローンチ時に決まる仮想リザーブです。積が一定なので、価格は仮想SOLリザーブの2乗に比例して上がります。
最初の数字
- 総供給:10億枚。
- カーブで売る量:7億9310万枚。
- PumpSwapのプールに残す量:2億690万枚。
- 仮想リザーブ:30 SOLと10億7300万枚。kは321億9000万。
仮想の30 SOLのおかげで、最初の買いもタダ同然にはなりません。完了するのは最後のカーブ用トークンが買われたときで、そのときyは2億7990万、xは約115.005 SOL。仮想の30を引いた約85 SOLが実際に集まるSOLで、別のルールではなく初期値から出る結果です。
以上はSOLペアのコインの、執筆時点の値です。USDCなどとペアのコインは別の値から始まり、Pump.funの権限者は新しいコイン向けに値を変えられます。
手数料は式の外です。取引ごとにプロトコル手数料と、作成者のいるコインではクリエイター手数料がかかり、率は時価総額に応じた段階制で、オンチェーンの設定が決めます。買いでは先にSOLから、売りでは受け取るSOLから引かれます。
ボンディングカーブの計算式
x × y = k
xは仮想SOLリザーブ、yは仮想トークンリザーブ、kは作成時に決まる定数。価格はx ÷ yです。
買うと手数料を除いたSOLがxに足され、kを保つだけのトークンを受け取ります。新しいyはk ÷ 新しいx、受け取る枚数は古いy − 新しいy。xが増えるほど、1 SOLで取れる枚数は減ります。
手数料を除くと、まっさらなカーブの最初の1 SOLは約3461万枚、完了直前の最後の1 SOLは約246万枚で、およそ14分の1です。カーブ用トークンの半分は約17.6 SOLで売れ、カーブ全体が集めるSOLの約2割にすぎません。だからトークンで数えた進捗は、SOLで数えた進捗より先を走ります。
ボンディングカーブの五つの区間

区間はプログラムの段階ではなく、カーブのSOLで区切った目安です。
| 区間の終わり | 売れたトークン | 価格(ローンチ比) |
|---|---|---|
| 5 SOL | 約19% | 約1.36倍 |
| 25 SOL | 約61.5% | 約3.36倍 |
| 50 SOL | 約84.6% | 約7.11倍 |
| 約85 SOL(完了) | 100% | 約14.7倍 |
5から25 SOLで価格は約2.5倍、その後の二つの区間はそれぞれ約2.1倍、通して約14.7倍です。最後の35 SOLで買えるのは、カーブ用トークンの約15%だけです。
終盤ほど値動きが荒いと言われますが、カーブの上では逆です。1 SOLが価格を動かす幅は、最初の1 SOLで約6.8%、50 SOLの地点で約2.5%、完了の手前では2%未満です。終盤の急な動きは、送り込まれるSOLの量が生むものです。
進捗と時価総額の読み方
進捗の表示がトークンとSOLのどちらで数えているかを確かめ、まずカーブのSOLを見てください。カーブ上の時価総額はカーブ価格に10億枚を掛けた数字で、集まったSOLとは別物です(時価総額の計算方法)。
誰が持っているかは保有者スナップショットで確かめられます。現在の保有者を分類し、開発者や新しいウォレット、集中度を示して一覧を書き出します。過去のブロックは読めません(保有者分布の読み方)。
卒業とPumpSwapへの移行

卒業は二段階です。まず、最後のカーブ用トークンを取った買いがカーブを完了済みにし、以後は売買できません。次に、誰でも実行できる移行命令(migrate)が流動性をPumpSwapのプールへ移します。保有者の操作は不要で、トークンはウォレットに残ります。
プールには2億690万枚とカーブのSOLが入り、移行で作るアカウントの費用として移行手数料が引かれます。開始価格はカーブ最後の価格とほぼ同じでも、SOL側は約85 SOLの実際の流動性で、カーブの仮想の厚み(115 SOL)より薄いので、同じ売りでも移行直後のほうが大きく動きます。
LPトークンはバーンされ、チェーン上でも移行済みプールのLPミントの供給はゼロで、最初の流動性は誰にも引き出せません(LPトークンのバーンとロックの比較)。
ミント権限とフリーズ権限はカーブの上ですでに空で、卒業では変わりません。そう作るのはPump.funのプログラムで、LPトークンは移行で初めて生まれます。
現在の作成経路(create_v2)のコインはToken-2022のミントで、古いコインは従来のSPLトークンのこともあります。SPLトークン専用の道具は失敗しえます(Token-2022とSPLトークンの違い)。移行後は実際のリザーブを相手に取引されます(PumpSwapとは何かの解説)。
移行で変わるのは取引の場で、リスクではありません。保有者の集中と作られた出来高を確かめてください(ラグプルを見抜く8つのチェック)。
卒業後のポジションは流動性の追加と削除で増減や手数料の受け取りができ、マイプールがポジションを一覧にします。
トレーダーから見たボンディングカーブ
ボンディングカーブ自体が取引相手なので、完了まではいつでも売り戻せます。1 SOLあたりの値動きは底で最大で、手数料はその上に乗ります。完了後は実際の流動性を相手にPumpSwapを通ります(スリッページ設定の決め方)。
マルチスワップは多数のウォレットで一つのトークンを売買し、卒業前はボンディングカーブ、卒業後はPumpSwap、それ以外はRaydiumと市場を自分で選び、ウォレットごとに取引します。ウォレット一つならスワップがJupiterの経路で動きます。バンドルトレードはウォレットごとに1件を送るので、大きな組は多数のJitoバンドルに分かれ、各バンドルが全部通るか何も通らないかです。
この記事は仕組みの説明で、投資助言ではありません。
ボンディングカーブでコインを出す
Pump.funトークン作成はコードなしで名前、シンボル、画像、説明、SNSのリンクを入れ、作成者買いも付けられます。複数のウォレットで最初に買うならPump.fun作成&バンドル購入が作成と買いをJitoバンドルで送ります。新しいコインはスナイパーボットにも狙われます。
カーブを使わないならトークン作成ツールで作り、流動性プールの作成でRaydium、Meteora、Orcaにプールを開きます(Raydiumで流動性プールを作る手順)。
チェーン上のボンディングカーブ
カーブの状態(仮想と実際のリザーブ、完了フラグ)はPump.funのプログラムのアカウントにあり、アドレスは「bonding-curve」とミントから決まるので(プログラム派生アドレスの仕組み)、誰でもRPCノードからリザーブを読めます(Pump.fun公式のプログラム資料)。ただしPump.funとPumpSwapのプログラムはアップグレードでき、パラメータも新しいコイン向けに変えられます。
ボンディングカーブのよくある誤解
「ボンディングカーブは操作できる」作成者は価格を決められず式も公開ですが、出来高は仮装売買で作れます。
「卒業すれば利益が出る」違います。変わるのは取引の場です。
「早く買って卒業で売れば儲かる」カーブ自体の上昇は完了まで約14.7倍、その先は移行後の市場次第で、大半のコインは完了しません。
「出来高が多ければ安全」出来高はボットでも作れるので、誰が取引し、誰が持つかをDexScreenerの読み方で確かめてください。
ボンディングカーブのよくある質問
Pump.funのボンディングカーブは下がりますか?
下がります。売りが価格を同じカーブに沿って押し戻し、取引なしには動きません。
カーブに集まったSOLはどうなりますか?
カーブのアカウントにとどまり、売りで払い出され、移行時は移行で作るアカウントの費用を引いてPumpSwapのプールへ入ります。作成者に引き出す命令はなくても、作成者や初期のウォレットはトークンを売ってSOLを持ち出せます。それがカーブ上のラグプルです(ラグプルの見抜き方)。
卒業の前に売れますか?
売れます。完了まではカーブが常に反対側にいます。底では値動きが最大なので、スリッページもそこで最も効きます。
時価総額が集まったSOLより大きいのはなぜですか?
時価総額はカーブ価格に10億枚を掛け、集まったSOLは払い込まれた分だけを数えるからです。何も買われていなくても約28 SOL、完了時は約85 SOLの払い込みに対して約411 SOLです。
完了間近のコインは必ず卒業しますか?
いいえ。最後のトークンを買う義務は誰にもなく、売りが入ればカーブは下がります。
早く買うほど、いつも有利な価格ですか?
価格だけなら、はい。早いほど安くなる仕組みです。ただ大半のコインはカーブを完了しません。早い買いは宝くじの割引であって、勝ち筋ではありません。
カーブの外側はミームコインの仕組みとPump.fun以外のローンチ先の比較で扱っています。


